今年6月、古稀を迎えた。古稀とは70歳を迎える人の長寿祝のことで、またその年齢をさすとのこと。古稀の由来は、中国唐時代の詩人・杜甫(とほ)がよんだ七言律詩『曲江』の詩の一節に「人生七十古来稀」とあり、「人生を70歳まで生きるのは非常に稀なこと」という意味のようだ。「稀」が常用漢字ではないため、現在は「古希」と書くのが一般的である。

現代では「人生百年時代に向けて」と、100歳まで寿命が伸びる可能性が視野に入っているが、76年前のアペイド(旧小川タイル)が創業を始めた1947年(昭和22)の日本の平均寿命は、男性で50.06歳、女性で53.96歳であった。ましてや唐の時代(618~907年)の中国においても、70歳を迎えるのは本当に滅多にないことだったようだ。

私が若い頃は、70歳といえば可成りの老人に感じていたが、いざ自分がその年齢になってみると複雑な心境である。アッあっという間だったようにも感じるし、一つ一つを振り返ってみると随分と長い時間を経てきたようにも思う。

最近、年齢と共に衰えを感じることが多くなってきたが、言語の能力は加齢とともにどんどん伸びて67歳にピークになるとのこと。
これからは自分の残っている能力と心身の衰えを上手くコントロールしながら、まずは次の長寿祝『喜寿』を目指し精進したいと思う。