昨年4月、会社の健診で胃に異常が見つかり癌専門病院を紹介されGW明けの精密検査で『胃癌』の判定が下されました。
一瞬思考が止まり、次に浮上したのは命、家族、俺の人生は?…今まで抱いた事のない大きな不安でした。
手術前の通院検査を重ね、医師や看護師と接しているうちに、私の気持ちは少しずつ変わってきました。
「この病院で手術を受ければ必ず癌に勝てる」

6月下旬に入院そして手術、胃壁中層に腫瘍があったため内視鏡ではなく、腹腔鏡による手術となりました。5時間半かけて胃の3分の2が摘出され、病理検査の結果、ステージ1の初期癌でした。
術後2ヶ月経過した時、担当医から悩ましい提案がありました。
『残胃に癌細胞がないとは断言出来ない、あれば後々他の臓器への転移が予測出来るので予防のため残胃を摘出したい…但し摘出した残胃に癌細胞はないかも知れません、微妙な状況です』
家族と話し合い、セカンドオピニオン受けることにし、別の病院を訪ねました。熟慮の結果、提案された手術を受ける決断をしました。

手術は9月下旬、消費税アップの直前で職場はとても仕事量が多い時でした。麻酔が覚めて妻から今回は7時間半の長い手術だったと知らされました。
術後、炎症反応数値が上がり入院が長引き、ラグビーW杯日本大会を病室のTVで一人静かに観戦をしました。
長引いた入院も10月下旬に退院が認められ、3週間の自宅療養を経て11月下旬に職場復帰が叶いました。年明け1月末の術後3ヶ月検査では『経過順調、問題なし』との診断でした。

胃は再生する臓器と思われがちですが、再生はしません。食事は良く噛む事で口が胃の代役をします。今では、繊維の硬い食材以外は何の問題もなく食べることができ、好きなお酒も楽しんでいます。

今回の手術療養にあたり、長く職場を離れて治療に専念出来たのも職場の皆さんの配慮をいただいたおかげでした。心より感謝しています。

『日本人の死亡原因の1位は癌である。日本人の2人に1人が一生涯のうちに癌になる』とも言われています。

身体は私一人の物ではありません。
家族、友人、そして職場、多くの人に支えられて今、私はあらたに与えられた人生を生きています。

『癌』を患った私から
癌は早期発見が一番です。
年に一度の健康診断は必ず受診をしましょう。さらに、半年診断を追加すればより安心ができるでしょう。