3月に、昭島市にある映画館で『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』がデジタル4Kの映像で特別上映されるとのことで、いてもたってもいられず観に行って来ました。

西部劇ファンなら知らない人はいない、セルジオ・レオーネ監督、クリント・イーストウッド主演のコンビのイタリア製西部劇、いわゆるマカロニ・ウェスタンの傑作。

 

この2作品の前に、同じコンビで『荒野の用心棒』がつくられましたが、これは黒澤明監督の『用心棒』を盗作して、そのまま西部劇に置き換えたことはよく知られています。

そのためレオーネ監督のオリジナリティにおいてはこの『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』が優れていると個人的には思うので、この2作品を観ることにしました。

特筆すべきなのは、この三部作のすべての音楽を、4年前に亡くなった映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネが担当していることです。

当時まだ若かった彼が書いた、口笛、エレキギター、口琴、オルゴール、ハーモニカ、コーラスなどを織り混ぜた斬新な曲たちは、観た人たちに強烈な印象を残します。

大胆不敵でスピード感と殺気溢れる映像。土煙を吹き荒らす風の音、銃声。疾走する馬たちの地響きのような音。悪党たちの汗と垢まみれの顔。バイオレンス、暴力。

そこにモリコーネの音楽がかぶさり、なだれ込んでくると、身体中の細胞がどよめきました。

子どもの頃から何度となく繰り返し観ているはずなのに、初めて大スクリーンで観て、鳥肌が立ち、震えてしまいました。 

60年前にリアルタイムで映画館で観た人たちが体感した迫力を自分も体験できたのは、忘れ難い貴重な経験になりました。

西部劇を観ていつも感心させられるのは、主役のスターからセリフの無い脇役の俳優まで、当たり前のように馬に乗れるということです。

 

しかも見事な手綱裁きで自在に馬を操るレベル。女優さんたちまでが自身で乗っているのをみると、西部劇全盛期の俳優のスキルがいかに高かったかがわかります。

 

ハリウッドでも西部劇映画が製作されなくなって久しいですが、雄大なアメリカや、乗馬などの俳優のスキルを堪能できるのは西部劇が一番だと思います。

 

あまり馴染みが無い方も、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。