先日、友達からとてもほっこりするお話を聞きました。舞台は新宿、歌舞伎町。週末の夕方、仕事帰りの人々でごった返す駅前での出来事です。

友達はその日、めずらしく早く仕事が終わり、友達と飲みに行こうと新宿に向かってました。駅の近くを歩いていると、道端で地図を広げて困っている外国人のカップルが目に入りました。彼らは英語で何か話し合いながら、スマートフォンと紙の地図を交互に見ていたそうです。周囲の人はみんな忙しそうに通り過ぎていきますが、友達は「何か困っているのかな?」と気になり、思い切って声をかけてみたそうです。

「Can I help you?」と話しかけると、カップルはとても嬉しそうな表情になり、「歌舞伎町に行きたいけど、道が分からなくて…」とつたない日本語で答えてくれました。友達は英語が得意ではないものの、身振り手振りを交えながら、スマホの地図アプリでルートを一緒に確認し、丁寧に道順を説明しました。それでも不安そうな様子だったので、「一緒に行きましょうか?」と提案すると、二人はとても安心した様子で「ありがとう!」と何度もお礼を言ってくれたそうです。

歌舞伎町までの道中、簡単な英語と簡単な日本語で会話をしながら歩きました。カップルは観光で日本に来ていて、初めての東京だったそうです。「日本の人はみんな親切だね」と言われ、友達はとても嬉しくなったとのこと。目的地に着くと、カップルは満面の笑みで「素敵な思い出になった」と言い、記念写真を一緒に撮りました。

その後友達は自分などと合流したあとにその話をしてくれました。その話の流れで、ほかの子が、翻訳アプリ使えばいいのになどと言っていましたが、自分はその場で頑張った友達に拍手しかないと思いました。

昨今、スマホなど便利なツールも増えてきて、人ひとりがやれることは格段に増加しました。しかしその中でも、あえて不便をとることによって、相手により良い印象を与えることも少なからずあると自分は思っています。ツールはあくまでツールで、使いどころの取捨選択、そこを今後は心掛けていきたいなと思うエピソードでした。