池波正太郎著の時代小説『鬼平犯科帳』は愛読書の一つである。
鬼平こと長谷川平蔵は、御先手組の二番組頭と火付盗賊改方長官を兼務していたが、その小説の中で度々四谷組屋敷が登場する。
組屋敷は御先手組の与力が住んでいた官舎で、四谷組屋敷はアペイドにも近い靖国通りを挟んで、防衛省向かい(現在の新宿区坂町、かつての四谷坂町)にあった。
御先手組とは幕府常備軍で、戦場では先方を務め、平時は将軍の警護と治安維持が任務である。当時34組あった御先手組のうち、16組が四谷と近隣の市ヶ谷、牛込に集中していた。
これは幕府の危機管理として江戸城に敵が攻め入ったときに、徳川将軍を甲府城に避難させるために甲州街道に近いエリアに組屋敷を重点配置したのである。
防衛省は、尾張徳川家上屋敷の跡地で、明治になって軍用地になり、70年前までは陸軍省、大本営陸軍部があった。また、尾張徳川家跡地には警視庁第5機動隊もあり、四谷と周辺は昔も今も防衛と治安維持の最前線である。
我がアペイド周辺には江戸~昭和の時代が沢山残っている。
興味のある方は散策をしてみては如何でしょうか。